横浜FC

イニシャルプランについて

2020.10.21 Wed

今回は横浜FCの強化ダイレクターを務める福田健二氏(以下福田D)に講師を務めていただきました。選手としてもご活躍された福田Dが今回、選手達に教えてくれた事は、「イニシャルプラン」についてです。
「イニシャルプラン」とは、過去からの自分で形成された現在の自分を踏まえ、そこから未来(理想)の自分を描き、どうすれば未来(理想)に近づく事ができるかを考え実行する事です。福田Dは自身のキャリアを踏まえ、具体例を出しながら選手達に分かりやすく教えていただきました。

 
福田Dは、サッカー選手として、「限られた、時間をどのように使うか?」を選手達に繰り返し伝えており、その中で、選手達に各々の成功体験と失敗体験を聞き、『成功とは「挑戦し続ける事」、逆に失敗は「挑戦しない事」である』と語っておりました。選手達はチャレンジ(挑戦)する事の重要性を感じ、加えて、『失敗は成功に変える事ができる。だから失敗も成功の一部である。』この福田Dの言葉に特に印象を持っている様子でした。
具体的にイニシャルプランで何を考えるかについては、5つの要素を上げています。
⑴ プロとしてあるべき姿(心)
⑵ プロ選手としての生活リズム
⑶ フィジカル要素向上(体)
⑷ メンタリティー確立(心)
⑸ 自己分析(計画、実行、課題抽出、改善、成果、PDCAを意識)
これらを最初に考え実行し、各キャリアステージで常に「目標設定」、「自己分析」、「他者分析」を行う事で、未来(理想)の自分に着地できると福田Dは話しております。選手達は現在の自分を改めて見つめ直し、未来(理想)の自分を描き、そこに向けてのプロセスを考える良い機会となりました。
 講座中一貫して、挑戦する事の重要性をお話ししていましたが、同時に私生活においてもプロとしての振る舞いが求められる。常に人間性という部分も見つめなければならいと、選手達に厳しい表情で伝えており、少し緊張感のある雰囲気もありました。やはり、多くの人が憧れる職業なので注目される機会が多い環境です。福田Dは、ただサッカーが上手い人間ではなく、いち社会人として公私で周囲から信頼される人間になる事が、長く成功する条件だと語っており、選手達も身を引き締めているのが印象的でした。
 最後に福田Dから、「今の自分にBett(賭ける)事ができるか?」と選手達に問いかけ、「重要な試合で、選手として、人として、クラブが人生を賭けてピッチに送り出せるか!?そうでなければ、何が欠けているのか?を自身で考え、今日の練習から取り組んで欲しい。」と伝える場面がありました。大好きなサッカーを真剣に地道に取り組んでいれば、サッカーのスキルだけでなく、人間性も自然に磨かれていく。だから、日々のトレーニングを真剣に取り組んで欲しいと、最後は選手達を後押しするメッセージを送り、講座を締めくくりました。

 
◼️福田健二氏 略歴

・生年月日:1977年10月21日(42歳)
・経歴:習志野高校→名古屋グランパスエイト→FC東京→ベガルタ仙台
クラブ・グアラニー→CFパチューカ→イラプアトFC→CDカステリョン→CDヌマンシア
UDラス・パルマス→イオニコスFC→愛媛FC→横浜FC香港

1993年 習志野高校に進学。本田裕一郎監督からゴールへの執念を買われて、1年時から1軍入りし、1994年の高円宮杯で3位、1995年の高校総体で優勝。
1996年 高校を卒業し、Jリーグ・名古屋グランパスエイトに加入。「日本人ストライカーを育てたい」と語るアーセン・ベンゲル監督の下、同年3月のスーパーカップで先発出場し、デビュー戦で1得点1アシストを記録した。1997年、U-20日本代表としてワールドユース出場。名古屋ではストイコビッチと好連携を築き、1998年には公式戦18得点(リーグ戦ではチーム得点王となる16得点)を記録。
2003年 自身初の海外移籍。パラグアイで挑戦し、得点を量産。現地サポーターから愛される存在となった。
2006年 パラグアイ、メキシコを経験後、スペイン2部CDヌマンシアに移籍。年間チーム得点王と年間チームMVPを受賞。
2009年 故郷愛媛県の愛媛FCと契約。翌2010年には、サッカー人生初となる主将を任され、巧みなポストプレーや相手DFを引き付ける潰れ役として貢献し、チーム最多の7得点を記録した。
2013年 活躍の場を香港に移す。リーグ戦18試合11得点を挙げ、得点ランキング3位でシーズンを終えるなど、チームの主力として活躍。
2016年 現役引退を表明。
 
◼️受講選手のコメント
 
「小林友希」
今日、福田さんの講義を聞いて強く感じたことが3つありました。
1つはキャリアの中で誰もがある波。良い時、悪い時についてです。悪い時に何ができるか、前向きに挑戦し続けることができるかで、自分の成長曲線は大きく変わるということです。
どんな時でも現在の自分は過去の自分から作られていて、そして未来の自分は現在の自分で作られるという事を改めて強く感じました。だからこそ結果が出ない、上手くいかない、失敗した時こそ、そこから理想の自分に近づくためにも、前を向いて、失敗から学び、そういう時こそ成長するチャンスだと捉えて行動出来るようになりたいと思いました。
2つ目は自分を磨くというこです。
上手くいかない時、周りと比較したり、自分の外に意識を向けてしまいがちですが、1番は、自分を見つめ、サッカー選手の自分を磨くことが大事だと改めて気付かされました。
どんな状況でも自分を磨く事は決して無駄じゃないし、磨こうとする中で、気付けたり、感じるものがあると教えてもらったからです。そして実際に福田さんが何をして自分を磨いていたのかを聞けた事はとてもヒントになりました。
3つ目は「今の自分にBettできるか」という言葉です。
この言葉を聞いた時、自分はハッとしました。本当に今の自分に対して、監督やチームメイトにBettしてもらえるぐらい信頼を得られているかを考えた時に、自信がなかったからです。ではどうすればいいのかと考えた時、今日感じたことを実行し続けることが、いいのではないかと思いました。自分で自信を持つためにも、実際にみんなから信頼されるためにも、そこで大事になってくるのは人間性と普段の取り組みだと思いました。
今日の講義を聞いたことに満足せず、これを行動に移せるかで大きく変わると思うので、実行していきたいと思います。

 
「熊川翔」
プロサッカー選手生活20年の福田さんから、プロサッカー選手とはどうあるべきで、そのためにどのような時間の使い方をしていくべきなのかを学ぶことができました。
トライ&エラー。自分は失敗したらどうしようと考えてしまい、トライすることを躊躇ってしまうことが時々あります。ですが成長、成功するには失敗を恐れず常にトライし、エラーしを繰り返しながらサッカー選手としての成功を掴んでいくことが大事だと思うし、その成功を掴むために常にどんな準備をしなくちゃいけないのか、いつ来るかわからないチャンスをモノにできるかが大事だということを学べました。

コンディションが悪い時でも、逆にその時だからできる事だってたくさんあると思います。復帰した時にどういう自分でありたいか、サッカー選手としてだけではなく1人の社会人、大人としてどう成長できるかをもう1度しっかり考え直す機会にしていきたいです。
未来の自分を作るのは現在の自分なので未来で良い結果を残せるように今できることをし、トライ&エラーを繰り返しながら、これから先いつの日か、あの失敗があったから今があると言えるよう、あの時もっとやっとおけばよかったと後悔しないように頑張っていきたいとより一層思いました。